筋トレのサポートギアの中でおそらくもっともメジャーなアイテムであるトレーニングベルト。リフティングベルトとも呼ばれ、着用することで体幹を安定させることができ、腰のケガの予防やトレーニング効率が上がるなどのメリットがあります。
筋トレをするうえでとても役に立つアイテムであるにもかかわらず、そのメリットが正しく理解されていないためか、初心者のトレーニングベルトの着用率はあまり高くありません。
個人的には初心者でも積極的に活用すべきだと考えていますので、今回は「初心者でもトレーニングベルトを積極的に使ったほうがいい理由」を解説していきたいと思います。
トレーニングベルト着用の効果
トレーニングベルトを着用することで得られる効果は以下の2つです。
- 腰のケガの予防効果が期待できる
- トレーニング効率が上がる
腰のケガの予防効果が期待できる
デッドリフト、ベントオーバーロウイング、スクワットなどのトレーニング効果の高い種目はどうしても腰に負担がかかりがち。とくに初心者のうちはまだフォームを完全に習得できていないこともあり、負担が集中してしまい腰を痛めやすいです。
腰を痛めてしまうと、上記の3種目はもちろん、その他のコンパウンド(多関節)種目も満足にできなくなってしまうため、トレーニングをしている人にとっては腰のケガは致命的といえます。
筋トレで成果を出すために一番大切なのは継続すること
筋トレで体が変化するまではどんなに早くても数か月から半年は必要です。一時的に筋トレを頑張ったとしても継続できなければ決して成果は出ません。
したがって、筋トレで成果を出すためにはまずは筋トレを継続することがとても大切です。
継続のためにはやる気を持続させることはもちろん重要ですが、ケガをしないことも同じくらい重要です。とくに筋トレの習慣が完全に身についていない初心者のうちは、一度ケガや病気でトレーニングが中断されてしまうと、そこでモチベーションが下がってしまい、回復後もトレーニングを再開できずにそのままやめてしまうケースは少なくありません。
初心者にとって成果が出るまで筋トレを継続するためにはケガをしないことは非常に重要です。
トレーニングベルトで腰の負担を軽減
トレーニングベルトには筋トレで負担のかかりやすい腰をサポートする効果があります。ベルト自体の剛性力で腰を支えるとともに、ベルトでおなかをしっかりと締めつけることで腹圧を高めやすくなります。しっかりと腹圧を高めることができると体幹を安定するため、腰の負担を軽減することができるのです。
腰のケガのリスクを減らすためにトレーニングベルトは非常に有効なので、とくに初心者は積極的にトレーニングベルトを着用したほうがいいのです。
トレーニング効率が上がる
トレーニングベルトの効用はもうひとつあり、それは「トレーニング効率を上げることができる」です。
腰に負担のかかりやすいデッドリフトやベントオーバーロウイングで、ターゲットとなる筋肉(広背筋やハムストリングスなど)を追い込む前に腰が限界を迎えてしまうことはよくあることです。
そんなときにトレーニングベルトを着用すると、同じ重量でも急にレップ数が増えることがあります。
たとえば、いままでは6回で腰が限界を迎えていたのにベルトを着用したら10回反復することができるようになったりします。
トレーニングベルトを着用することで腰の負担が減ると、反復回数が増えてターゲットとなる筋肉を限界までしっかりと追い込めるようになります。
結果的にトレーニング効果が上がるため、トレーニング効率アップのためにもトレーニングベルトは積極的に利用すべきです。
トレーニングベルトはしないほうがいい?
ただ、こうしたトレーニングベルト着用の効果を理解している中上級者であってもなかには、あえて着用しない人がいます。
トレーニングベルトをあえて着用しない主な理由は以下の2つ。
- 体幹が鍛えられない
- 逆にケガのリスクが高まる
たしかにこれらの理由には一理あります。
体幹が鍛えられない
コンパウンド(多関節)種目を行えば、姿勢を維持するために自然と体幹も鍛えられます。ところが、トレーニングベルトで体幹をサポートしてしまうと姿勢の維持が楽になるので、その分、体幹の筋肉がサボることになり体幹が鍛えられません。
したがって、体幹を鍛えることを重視する場合はトレーニングベルトを着用しないほうがいいというのはたしかです。
スポーツをする上で体幹の強さは非常に重要になりますので、スポーツのパフォーマンス向上のためにトレーニングをしている場合は、体幹が鍛えられないことは大きなデメリットとなるでしょう。
スポーツのパフォーマンス向上のためにトレーニングをするのであれば、できるだけトレーニングベルトを着用しないほうがいいといえます。
しかし、ボディメイクのための筋肥大を目的としてトレーニングを行う場合は、そこまで体幹を重視する必要はないため、体幹が鍛えられないとしてもそれほど問題はありません。それよりもターゲットとなる筋肉にしっかりと刺激を与えて成長を促すためにトレーニングベルトを着用したほうがいいでしょう。
逆にケガのリスクが高まる
もうひとつの「逆にケガのリスクが高まる」については、一見矛盾しているように思えますが、これもたしかにある意味正しいです。
ケガの予防になるはずのトレーニングベルトでケガのリスクが高まってしまう理由はこうです。
トレーニングベルトを着用することにより、体幹が安定してより高重量を扱うことができるようになります。本来は上げることができない重量を上げられるようになる=限界重量を超えることより体に思わぬ負担がかかってしまうためケガのリスクが高まるというわけです。
ふだんからMAX重量に近い重量でトレーニングを行っている場合は、たしかにこういったリスクがあるかもしれません。
しかし、筋肥大目的で筋トレをする場合は、基本的にMAX重量を扱うことはないはずなので、トレーニングベルトを着用することによるリスクをそれほど心配する必要はありません。
したがって、筋肥大目的の筋トレであればトレーニングベルトの着用によるケガの予防効果は十分期待できると考えられます。
トレーニングベルトに頼りすぎないための工夫
とはいえ、あまりにトレーニングベルトに頼りすぎて相対的に体幹が弱くなってしまうと、ケガのリスクが高まるのでは?と心配になりますよね。
トレーニングベルトに頼りすぎないためにはこんな方法があります。
- 重量を下げたときはトレーニングベルトを外す
- サポート力が強すぎない(硬すぎない)ベルトを選ぶ
重量を下げたときはトレーニングベルトを外す
ひとつはトレーニングベルトを着用するのはメインセットなどの高重量を扱うときだけにして、ウォームアップやドロップセットなど重量を大幅に下げたときはベルトを外すという方法です。
こうすることでメインセットの高重量のときはベルトでしっかりと腰をサポートしてケガのリスクを下げつつ、メインセット以外の軽量のときはベルトに頼らず自力で姿勢を維持することで体幹の筋肉にも刺激を与えてやることができます。
それでも腰に負担を感じるようなら、メインセット以外でもベルトを着用したほうがいいでしょう。体幹はプランクなどで個別に鍛えることができるので、ケガの予防を優先したほうが得策です。
サポート力が強すぎない(硬すぎない)ベルトを選ぶ
もうひとつはサポート力の強すぎないベルトを選ぶことです。
ひとくちにトレーニングベルトといっても素材や構造によってサポート力に差があります。トレーニング上級者となれば扱う重量が初心者とはケタ違いなので、それなりにサポート力が強力なトレーニングベルトが必要になってきます。
しかし、超高重量を扱わない初心者には完全にオーバースペックですし、ベルトに頼りきってしまうと体幹がまったく鍛えられないので、はじめはあまりにもサポート力が強すぎるものは避けたほうがいいです。
しかも値段もケタ違いなので、なにかと初期投資が必要な初心者には予算的にもきついと思います。
初心者におすすめのトレーニングベルトは?
初心者におすすめのトレーニングベルトはずばりベルクロ式のナイロン製ベルトです。ベルクロ式のナイロン製のベルトは誰にでも扱いやすく、サポート力もちょうどよく値段も手ごろなので初心者におすすめです。
【日本正規品】 ハービンジャー(Harbinger) メンズ トレーニングベルト フォームコアベルト 背中幅5インチ(12.7cm) Mサイズ ウエスト周り73.7-84cm 23320
- 出版社/メーカー: Harbinger(ハービンジャー)
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レザー製とナイロン製の違いについてはこちらを参考にしてみてください。
トレーニングベルト買うなら最初はナイロン製をおすすめする理由【レザーとナイロンを比較】
まとめ
トレーニングベルトにはケガの予防効果とトレーニング効率アップ効果が期待できます。とくにケガの予防については、継続することが最重要課題である初心者にとっては非常に重要になってきますので、たとえ高重量を扱わない初心者であっても積極的に着用することをおすすめします。
筋トレで成果を出すには「継続は力なり」です。とくに負担のかかりやすい腰のケガに十分注意つつ、頑張って筋トレを継続してください。
それでは良いトレーニングライフを!